電流計測がわかる! PSAシリーズのメリット

抵抗に電流が流れると、オームの法則より抵抗両端に電圧が発生します。
この抵抗両端にかかる電圧を測定し、電流値に換算します。
電流計測に使用される抵抗 を シャント抵抗 と呼びます。


 



電流計測器の設置場所で、測定方法が異なります。

ローサイド計測 ハイサイド計測
計測対象回路 - GND(0V) 間に、電流計測器を設置 電源 - 計測対象回路 間に、電流計測器を設置


■電流計測器が、GND と計測対象回路の間にあるため、
回路が GND から浮いてしまう。
■計測対象回路内の故障などで、GNDと電源が短絡した場合、
電流計測器に電流が流れないため、短絡したことがわからない。

■計測対象回路の基準をGNDにできるが、計測器はGNDから
浮くのでノイズの影響を受けやすい。
■計測対象回路内の故障などで、GNDと電源が短絡した場合でも
短絡検知ができてアラームを出せる。

PSAシリーズは、ハイサイド計測/ローサイド計測の両方に対応しています。

 

電流計測に使われる抵抗(シャント抵抗)に電流が流れると、抵抗自身が電力を消費します。
スマートフォンやウエアラブル機器といった低駆動電圧製品(3.3V / 1.2Vなど)や、大電流を
精度良く測定するには、低抵抗や大電力(大電流)への対応が必要になります。

例1:電源3.3Vで電流1Aを流す場合、シャント抵抗値が1Ωとしたら…


計測対象の回路への供給電圧
=電源電圧-シャント抵抗間の電圧
=3.3V-1V
=2.3V

回路の供給電圧が2.3Vになってしまい、
これでは正常に回路が動作するかわかりません。
ですので、シャント抵抗は低い抵抗値のものを使用します。

シャント抵抗が0.04Ωなら
3.3V-(1A×0.04)=3.26V
損失が少なく、これなら大丈夫!

 


シャント抵抗について その2

電流計測において、もう一つ大事なパラメータは電力損失です。
先ほどの例と同様に、電源3.3Vで電流1Aを流し、シャント抵抗値1Ωの場合の電力損失を計算してみます。
電力(W)=I(電流)×I(電流)×R(抵抗)

例2:電源3.3Vで電流1Aを流す場合、シャント抵抗値が1Ωとしたら…


シャント抵抗の電力損失(W)
=1A×1A×1Ω
1W

電力損失=発熱量になります。
抵抗など電子部品は熱で特性値が変化しますので、
電力損失が多いとその分、計測誤差にもつながります。

シャント抵抗が0.04Ωなら、電力損失は
W=1A×1A×0.04=0.04W
損失が少なく、発熱量も少ない!

 

 



ココリサーチが開発したPSAシリーズは上記のような電圧損失、電力損失を極力小さくできるよう、
他社様と比べ小さな入力抵抗(シャント抵抗)を採用しています。
また、入力および出力分解能も16bitと高分解能です。

 

■±2A測定レンジ製品での比較

社名
型式
計測範囲
シャント抵抗
入力過負荷
ココリサーチ
PSA-2401U2D3
±2.0000A
約 40mΩ
±3A
他社様参考値
------
±1999.9mA
約100mΩ
±3A

 



 

■±20mA測定レンジ製品での比較

社名
型式
計測範囲
シャント抵抗
入力過負荷
ココリサーチ
PSA-2401U2D1
±20.000mA
約 1Ω
±3A
他社様参考値
------
±20mA
約10Ω
±50mA

 



 

測定値をどれだけ細かく測定し、出力できるかは、大事なパラメータです。
計測されたアナログ信号は、計測器の内部でデジタルデータに変換されますが、
その際、どれだけ細かくデジタル化できるかが入力分解能です。
PSAシリーズは、入出力とも分解能16bitですので、細かく測定・出力できます。
16bitとは、2の16乗という意味です。(2^16=65535カウント)

 

例:±2Aレンジでの入力分解能の細かさ比較

分解能(bit)
データ数
最小計測値
単位
10
2^10 = 1024
3.906250
mA
12
2^12 = 4096
0.976563
13
2^13 = 8192
0.488281
16
2^16 = 65536
0.061035

例:±10Vアナログ出力での出力電圧の細かさ比較

分解能(bit)
データ数
最小計測値
単位
10
2^10 = 1024
19.531250
mV
12
2^12 = 4096
4.882813
13
2^13 = 8192
2.441406
16
2^16 = 65536
0.305176

 


13bit = 8192  vs 16bit = 65536
16bitは、13bitの8倍細かく計測できる


 

■低シャント抵抗

 → 損失が少なく、低電圧から高電圧製品まで幅広く計測可能。

 → 自己損失による温度誤差を、極力小さくできるよう設計。

 → 高負荷耐圧で故障しにくい設計。

 → F/Vコンバータで蓄積されたアナログ技術(ノイズ除去技術)を搭載。

   *自動車会社様にて評価を行い、動作検証済です。

 

■16bitの高分解能

 → 細かく計測し、細かく出力が可能。

 → 細かく・正確に計測ができるよう、F/Vコンバータで培ったアナログ技術(ノイズ除去技術)を搭載。

 

アプリケーション

→アプリケーション一覧はこちら

ソレノイドバルブのPWM駆動電流の
リアルタイム計測

リチウムイオン充電池の
CCCV充電電流の計測・管理

健康機器の微小電流リークテスタ
バーンイン試験装置への組込

 

製品紹介

各製品共通の特長
・ソレノイドバルブ(比例制御弁)PWM電流のリアルタイム計測や、フィードバック制御に好適
・シャント抵抗40mΩ以下なので低損失、充電電流評価にも最適

 

関連ページリンク 製品 ポイント 概要
製品ページ PSA-2401

24x48サイズ直流電流計。
1ms更新の、16bitアナログ出力とCAN出力が同時出力可能。
USBで給電/ロギング/設定が可能な「LINKSHIP」対応製品。

製品ページ PSA-4801

48x96サイズ直流電流計。
1ms更新の、16bitアナログ出力とCAN出力が同時出力可能。
USBでロギング/設定が可能な「LINKSHIP」対応製品。

製品ページ
PSAL-2401

24x48サイズ直流電流計。
40ms更新の、16bitアナログ出力とCAN出力が同時出力可能。
USBで給電/ロギング/設定が可能な「LINKSHIP」対応製品。

 

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